

ドバイの不動産市場は、「若さ」と「規制」の2つのキーワードに集約されます。この言葉から何を連想され、どのようにとらえるかは各自各々ですが、投資判断の上で重要なキーワードです。
最初の「若さ」について、ドバイで不動産取引が実施的に開始されたのが、2002年とまだ5年程度しか経っていません。元々、UAEの土地は砂漠であり、そこに住んでいたのはベドウィンの遊牧の民です。ヨーロッパや日本のように、土地を利用しての生活(農耕や所有など)といった習慣はなく、砂漠の土地を所有するという概念もありませんでした。
その後の近代化とともに、土地は全てシェイク(王様)の持ち物であり、シェイクから土地を分け与えられるという図式が現代まで続きました。その後、土地を売買するという発想がごく最近生まれたばかりなのです。またイスラムのため、コーランで禁止されている不労所得や利子の発生など、現代の不動産ビジネスには欠かせないこのような事柄もビジネスとしての不動産を発展させない要因でした。

このため、2002年まで外国人が不動産を一切購入、所有することが出来ず、ドバイでの不動産ビジネスの歴史及び経験はまだ5年程度と非常に短いのです。
5年前に外国人にも解禁された当初の物件は当然まだ出来てもなく、オフプランの物件でありました。不動産全般に関する法整備もまだまだ未熟で、所有権に関する事柄も、デベロッパーとの販売契約書のみで役所などでの登記もありませんでした。
現在では、不動産取引に関する法整備が進み、所有権に関しても「ランド・デパートメント」と呼ばれる、役所での公式な登記も可能になり、投資環境は良くなりました。ドバイ不動産市場は、当然リスクが少なくなった分、リターンは5年前ほどではありませんが、今でも十分投資対象として魅力的な市場であります。

このように最初のドバイ不動産投資は、正に「ハイリスク、ハイリターン」で始まりましたが、最初のこのような状態でドバイの不動産を購入した投資家は、大きなキャピタルゲインを得ています。
発売時の価格と現在のリセール価格を見てみると、Villaタイプの物件で、最高で207%、パームアイランドのコンド物件の場合は、現時点で174%の上昇をしています。パームの他のコンド物件のプレミアがまだ低いのはこれらの物権はまだ全て完成していないからです。パームアイランド自体もまだ全て完成をしていないことから、最終的な完成時までには、まだまだ価格は上がると思われます。

次に、「規制」について、これは外国人が購入及び所有できる物件及び地域が決まっているということです。日本や欧米のように、誰もが自由に好きな場所や物件を購入及び所有することは出来ません。外国人が購入及び所有できる物件は、「フリーホールド・プロパティー」と呼ばれる一部のエリア及び物件のみです。
これらの物件は当然新しく開発された物件であり、市中などの既存の物件ではありません。したがって、中古物件の市場というものもなく、どんなに古い物件でも築2~3年で、逆にこれらの物件は既に完成していますので、価格的にも一番高い物件になります。その他の物件は、建設途中又はオフプランの物件であり、全ての物件は実物を見ないでの購入というのもドバイの不動産投資の特徴です。

実際の物件を見ないで購入するというのはキーポイントです。物件は全てこれから建てられる新しい物件のため、販売時には当然まだ出来ていません。ランチ時に物件の販売権を購入し、その間に権利を転売し、最終的に物件が完成する時には、物件の価格はランチ時以上の価格になっているというシステムです。そのため、ドバイのショッピングモールなどに行くと、不動産屋やデベロッパーのブースがいたるところにあり、模型やカタログで物件の販売をしています。これは非常にユニークで、ショッピングモールで洋服や貴金属などを買うのと同じように、不動産も購入できるということなのです。
さて、次回では具体的に不動産の購入方法や転売方法、購入に当たっての注意事項や具体的な物件や投資案件に付いてお話しいたします。

取材協力:福田一郎(MIRAJ Group 会長兼CEO)
1967年ドイツ、デュッセルドルフ生まれ。日本の大学にて勉強後、1994年、ドイツにて初の日独専門人事コンサルタント会社を設立。2005年、ミラージュ・グループの前身であり、ドバイで初の日系コンサルタント会社としてMIRAJ Management Consultants社を設立。2007年、各事業を分社化しミラージュ・グループ会長兼CEOとなる。現在、家族と共にドバイに居住。







